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香港の国家安全法で発言も規制対象に?要点とその影響

2020年6月30日に香港に事項された「国家安全法」をしっていますか?
今回は台湾に施行された「国家安全法」についてわかりやすく見ていきたいとおもいます。

この記事の要点

・香港と中国の関係と歴史
・「国家安全法」の要点とその影響

香港と中国との関係

香港は中国にある特別行政区であり、「中華人民共和国香港特別行政区」が正式名称になります。

特別行政区とは?

中国本国とは異なる行政・法律などがありある程度の自治権が認められている地区のこと(香港・マカオなど)

1839年に清とイギリスで「アヘン戦争」がおこり、清はこれに敗北して、「南京条約」で香港半島を割譲しました。その後はイギリスの植民地として設立しました。

1997年に中国に返還されて今日に至ります。
特徴としては、「一国二制度」が導入されていて、これは

・中国(中央政府)の管轄
・香港独自の制度

この2つからなる香港の制度で、イギリスとの返還時に50年間の維持を約束するものです。

この制度が最近に施行された「国家安全法」で脅かされていると各国で話題になり、香港内でもデモがおきています。

「国家安全法」とは?

中国の国会のようなものである「全国人民代表大会(全人代)」で2020年6月30日に施行されました。

この制度は香港内の国会である「香港立法会」の審議を通さないで施行されました。香港BSの解説ではこのようにまとめられています。

1.「国家からの離脱、転覆行為、テロリズム、香港に介入する外国勢力との結託」の4つを犯罪行為と定める。
2.国家安全維持法に違反すると最低3年、最高で無期懲役
3.香港の法律と矛盾する場合は国家安全維持法が優先される
4.裁判は非公開でおこなう可能性がある
5.中国政府は香港に国家安全オフィス(NSO)を設立する
6.中国が深刻とみなせば、海外にいる香港非居住者も対象となる可能性がある
7.香港警察内に新たに国家安全保障部を設立し、警察に多様な権力を与える
8.香港の行政長官は裁判官を任命できるが、国家安全を危険にさらす発言をした裁判官は任命されない
9.行政長官を代表とする新たな国家安全保障委員会を設立
10.香港政府は、学校、メディア、インターネットなどで市民への教育を要求する
引用元:香港BS

このような内容になってるとまとめられています。

抗議デモも発生、「一国二制度」は崩壊?

この制度が施行されてから、市民の抗議デモなどが起こり、違法集会容疑370人とともに10人が国家安全維持法違反で逮捕されました。

このように、国家安全法への抗議も中国政府に対する反発する言動で犯罪となり処罰対象になります。
これをうけて、多くのメディアでは「一国二制度は崩壊した」という意見がでています。

香港内の影響

香港への影響は深刻で、上記でデモ抗議のほかにも、

・海外への移民が急増
・香港の世論調査で反対が意見が約半数
・SNSなどの発信にも怯える

などの影響がでていると言います。
中でも、発言・言論の自由を規制されることへの不安は顕著に見られています。
法の中には、外国勢力と協力して中央政府や香港政府に対しての「hatred(憎しみ)」を駆り立てることも処罰対象になるとされています。

また、企業や書籍・SNS関連に関しても影響はでています。
図書館では、書籍の検閲が実施され、Google・Twitter・フェイスブックは利用者情報の提供を一時停止すると述べています。

他国でも非難がでている

また、1997年まで統治していたイギリスも、「香港に逃げ道を作る」と発言しています。
イギリスは香港市民約300万人に対し、市民権、永住権の申請可能にし、入国管理規制の緩和をすると発表しました。

この条件は、

海外市民(BNO)パスポートの保持者

ですが、これがない場合でもイギリスに滞在できる期間を5延長し、現地で就労も可能になります。

海外市民(BNO)パスポートとは?

1997年(香港返還)以前に生まれた香港市民が持つことができるか海外市民パスポート

また、オーストラリアも移住を希望する香港市民の受け入れを検討するとしています。

この内容に中国側も反論

しかし、中国政府はイギリスの入国緩和措置に反論を示しており、

・(BNO)パスポートの無効化
・さらなる措置の権利

などを表明しています。イギリスは、返還時に「一国二制度」をこの先50年間(2047年まで)継続することで同意しています。なので「香港国安法の導入」は規約違反であるという意見もでています。

まとめ

香港の自由は失われたとも言われている国家安全法の施行ですが、香港への中央政府の権力がより拡大していくことになるのでしょうか。

それともこちら側の一方的な解釈なのかはわかりませんが、各国が注目していることは確かなようです。