生きるのが辛いんです。
そんなことを考える人は日本にどれくらいるでしょうか。そう思っても口に出さない人、口にできない人もいると思うんです。
日本の若者の死因第一位は「自殺」です。この事実は何よりも、先述の問いかけに信憑性を投げかけているのではないでしょうか。
「生きるのがつらい」若者の自殺が多い理由
厚生労働省の資料によると、日本における10~39歳の死因 順位の1位は自殺というデータが出ています。このデータは国際的に見ても、日本が特化しているようで、G7の中でも10~34歳までの死因順位は1位になっています。
年間自殺者数の直近のピークである平成21年(2009年)であり、この時期の背景は民主党が歴史的大勝を収め政権交代し、流行語大賞にも「政権交代」が選ばれました。経済面では、昨年にリーマンショックが起こり、その影響が翌年にも受けている時だったようです。
それから10年後の現在は、減少傾向ですが依然として日本の若者の自殺問題は続いています。
では次から、自殺の原因はなんなのか?なぜ日本の若者は自殺をしてしまうのか?そのことを紐解いてみたいと思います。
統計的にみる自殺の原因
まずは、数字的な観点で見てみます。厚生労働省の調べによると、自殺の原因は年代別で下記のようになっています。資料では、「家庭問題」、「健康問題」、「経済・生活問題」、「男女問題」、「学校問題」、「その他」で分類されています。
年齢別でその中の上位2つを取り上げてみます。
(2009年〜2018年のデータを参照)
・10歳代 学校問題、健康問題・家庭問題(ほぼ同一)
・20歳代 健康問題、勤務問題
・30歳代 健康問題、経済・生活問題
参考:厚生労働省(PDF)
10歳代は学業ベースでの統計、高校生になると「うつ」症状も
10歳代では、学校問題、家庭問題が顕著にでています。10歳代は学業も平行していることから小・中・高と年齢別に統計が取られるのですが小学生や10代前半だと「家族間の不和」や「しつけ、叱責」の割合が多い反面、動機が残されていないこともあり、背景の確認が難しいこともあると言います。
中学生になると、男女で原因の多さが異なり、男子は「成績の不審」、女子は「親子関係」がもっとも高いとされています。
高校生になると、「学業の不審」「進路の悩み」という進学や将来の進路による不安が顕著になり、それど同時に小・中ではみられなかった「うつ」の症状も出てくるようになります。
大学生や専門学生も場合も、「うつ病」が高く、次いで「学校問題」が続いている。
20歳代から先は有職、無職でそれぞれの原因が異なる
20歳代〜30歳代の場合は、10年間で「うつ病」や「統合失調症」の割合が減少していますが、「勤務問題、対人関係」などは増加しているとしています。
さらに、男女でも比較と共に、有職者と無職者に分かれて推移されています。(有職者は15~40歳までの範囲)
有職者の自殺原因は20代で「仕事疲れ」、「うつ病」、「職場の人間関係」、「仕事の失敗」などが挙げられます。また女性の場合は、「その他交際をめぐる悩み」、「失恋」、「職場の人間関係」などが挙げられます。
30歳代では、「うつ病」、「夫婦 関係の不和」など環境が変わりやすい世代でもあるため、今までの原因とは異なる自殺原因になっていることがわかります。女性の場合は「失恋」、「不倫」なども加わる傾向にあります。
一方、無職者の場合の自殺原因は、有職者とは異なった原因になる結果になっています。
20代の場合は、男性にもっとも多いのが「うつ病」であり、「統合失調症」、「就職失敗」と続きます。女性の場合は、男性同様に「うつ病」、「統合失調症」と続き、次に「その他の精神疾患」となります。
30歳代の場合も、男性は20歳代同様に「うつ病」であり、「統合失調症」、「就職失敗」で、女性の場合は、こちらも20歳代女性と同様に「うつ病」、「統合失調症」と続き、次に「その他の精神疾患」となりますが、全体的に「子育て」、「夫婦関係の不和」の割合が多くなります。
これは30歳代女性は、家庭を持っってから「パートタイム」で働く方々が増えることも関係していると考えています。
原因は「生きる理由」よりも、「生きない理由」が上回ること
自殺の原因は、これはこうだという断定しているものではないと筆者は考えます。生まれた環境、土地、対人関係、社会的立場、様々な要素が重なりそういう気持ちになっていくのかもしれません。
しかし、誰でも生きていれば「もうこの世にいる意味なんてない」という思いは多かれ少なかれあるのではないかとも思い、それえは決して他人事でもないのではと感じます。
現在、普通に生活を送れて、紛争も戦争もない平和な日本において、「生きる理由」は普通の生活に溶け込んでいます。生活するとか、税金払わなきゃとか、今日のご飯は何にしようとか、給料上がらないかなとかそう言った日常的な欲求ですね。
でも何かの拍子にうちに秘めたる「生きない理由」が上回る時、人はそう言った行動を起こすのかもしれません。
自殺を考えた人の言葉
最後にNHKの「自殺と向き合う」のサイトに送られた自殺を考えた方々の言葉を載せていたいと思います。
内容は少し強烈なものもありますが、こうしたことに向き合うきっかけになればと思います。
誰かに相談とかいらない。生きたくないもん。
相談したところで生きる苦しみを背負って生きていくのは私。自分にしか背負えない。
他の人も悩んでるとかどうでもよくない?
それ言ったところで自分の苦しみが軽くなるわけないじゃないか!
自分の苦しみは結局自分にしか背負えないもの。
もう未練はないから今すぐ迎えにきて。ほんとに今すぐこの瞬間に迎えにきて。
おじいちゃん、天国にいるんでしょ?
私を連れてって。彼と会えないこの世界に生きる理由は私にはもうないの。
いいでしょ?私はもう充分頑張ったでしょ?
見てくれてるでしょ?迎えにきてお願い。
私はもう生きたくない。
もう充分だ。引用:NHK
生きる意欲がない自分を感じるのが辛すぎる。
自分を見たくないし何も感じたくない。感情をなくしたい。死にたいのに死ねない。
もう何もいらないから、この先にある楽しみとかどうでもいいから、死なせてください。
寝たら二度と目覚めることのない世界へいきたい。
私は自分を捨てたい。いらない。
もう疲れたよ。辛すぎて耐えられない。
こんなくらい他の人なら乗り越えられることなのに。
何も頑張れない自分を見るのが辛い。死にたい。引用:NHK
人生楽しい!毎日幸せ!を演じるのはもう疲れた。
物心ついた時から死にたいって思ってる。
どうしてみんなから必要とされ愛されまだまだ生きたいと思う人が事故や病気で死んでしまい
私みたいなどうしようもないクズで誰からも必要とされない人間が生き続けてしまうんでしょうか。
世の中に起こる悪いことは全部自分のせいに感じてしまう。
私がいるだけで周りの人が不幸になる気がする。
いつも産まれてきてごめんなさい。生きててごめんなさい。死ねなくてごめんなさい。って呪文のように唱えられずにはいられない。引用:NHK
最後に
実際の上記のメッセージを読んで、落ち込んでとても辛い思いをしてそのような感情になっている人もいれば、普通の生活を送っていた場合でもこのような気分に陥ってしまうこともあるのだと感じました。
漠然とした、不安などもあるのでしょうが、意識的に人間は死というものを体内に感じているのかもしれないなと改めて思いました。