アフリカと中東アジアを結ぶ中継地で人口200万人が住むパレスチナ自治区のガザ地区。2021年5月中旬にイスラエルとの間で、空爆があり、ガザ地区では250人を超える犠牲者を出しました。
この悲しい紛争は2013年に起きた大規模な抗戦以降、もっとも大規模なものになり、ガザ地区は、町内にある民間の施設などが爆撃で瓦礫と化しました。
そんなパレスチナはコロナワクチンの対策も進んでいないのが現状です。
その理由を調べたら、イスラエルとパレスチナの問題を背景にした悲しい理由があることがわかりました。
パレスチナとイスラエル
一度は「パレスチナ問題」や「パレスチナ難民キャンプ」という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
イスラエルの国の中に「パレスチナ地区」があるのですが、そもそもこの構図は1948年のイスラエル建国から始まりました。(この記事では内容は簡略)
戦後に、パレスチナの土地に元々住んでいたアラブ人とユダヤ人の国家を建設することが進み、同時に2つの民族の対立が始まりました。
イスラエル→ユダヤ人国家
パレスチナ→アラブ人国家(現在は自治区)
現在のパレスチナは、ヨルダン川に面した「ヨルダン川西岸地区」(東側)と地中海に面した「ガザ地区」(西側)の地域があり、1993年以来、「パレスチナ自治区」とされており、ヨルダン川西岸地区に「パレスチナ自治政府」があります。
人口は約450万人、その過半数が15歳以下と子供が多いのも特徴です。
「ガザ地区」の生活
「ガザ地区」は、人口約200万人が福岡県程度の広さの面積で生活しています。世界で最も人口密度が高い場所でもあり、その7割は難民だと言われています。
2005年まではイスラエル軍が常駐していましたが、軍が撤退後は代わりに周囲が封鎖され、人や物流の流れを制限しています。
ガザ地区はイスラエルに四方八方囲まれています。(地中海もイスラエルの管理下にあり制限がある)
また、今回の大規模は抗争以前にも、2008年、2009年、2012年、そして2014年と、イスラエル軍は逃げ場のないガザに大規模軍事侵攻を行っているため、多くの犠牲者や街の発展が進まないままです。
商売は制限され、ロバが移動手段の一つ、上からものが飛んでくる
ガザ地区では、車と共にロバが移動手段になっています。これはインフラ整備が追いつかない状況なのを顕著に表しています。
それに加えて、ネットのインフラも整っておらず、基地局が設置できないこともありいまだに町は2G電波なのだそうです。
ヨルダン川西岸地区では、隣接するイスラエルと分厚い壁で覆われているのですが、地区内での商売は一部(軍が警備している付近)を除いて商売が出来ない状態になっています。
また、物が降ってくる被害もあり、上はフェンスで多い被害を逃れているところもあります。
コロナワクチン接種が進まない理由
ガザ地区でコロナワクチンの接種は200万人の人口に対して3万人で程度と接種が進んでいないと言われています。
一方、イスラエルでは、コロナワクチンは接種が60%以上と世界でもトップクラスに進んでいます。
この格差の理由は、イスラエルに封鎖されているため医療機関では新型コロナウイルス感染症患者をわずかしか受け入れられない実態があります。
この中でもワクチン数万本分が医療従事者どころか、最も感染リスクが高い人の数に届かないこともあるといいます。
しかし、本当の理由はこれ以外にもありました。
それは、ガザ地区の人々の心の持ち用にあったのです。
心の持ち用として、「爆弾が降ってくる中、ワクチンはもういい」という人々も多いということ。
(個人的にこの言葉を知って衝撃を受けました。)
パレスチナの場合、ワクチンを打つことで経済活動が有利になることが少ないとも言われており、ガザ地区、ヨルダン川西岸地区でも封鎖が続いている状況であることが根底にあるのでしょう。
ガザ地区の失業率は50%を超えている
現地からの報道をしていた「TBS NEWS」によれば、ガザ地区の失業率は50%を超えていると言われています。
積極的にコロナワクチンを接種して、経済活動を有利にするという以前に、経済が崩壊している状況でもあるのです。
しかしながら、ガザ地区のスーパーマーケットでは、豊富な食材がたんまりとありしっかりと生活を営んでいる人々も大勢いることも事実です。
まとめ
イスラエルとパレスチナの問題は70年以上の問題です。日本でもネットやSNSの普及や、好む好まざるといれればコロナ関連の件で少しずつ認知されてきていると思います。
今でも多くのパレスチナ人が空爆や制限の中、たくましく暮らしていることを知るきっかけになれば良いなと思いました。
参考
→https://youtu.be/o5V6l7r0dfM(TBS NEWS)
→https://youtu.be/UL-71lILs8s(ジョーブログ)