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【ウイグル問題をわかりやすく】 ジェノサイド条約に加盟しない日本

「ウイグル問題は対岸の火事ではない。」

そう思えてくるのは、筆者だけでしょうか。

ウイグル問題を前米トランプ政権は中国政府のウイグル族など少数民族に対する政策を「ジェノサイド」と認定しました。

中国・新疆ウイグル自治区での人権弾圧をきっかけに「ジェノサイド条約」がこのたび、世界で注目されるようになったのです。

ウイグル問題で注目を浴びた「ジェノサイド条約」

 NPO法人「日本ウイグル協会」は、ウイグル族の施設収容や強制労働、拷問、強制不妊手術、親子の引き離しなどが行われていると主張しています。

具体的になるが行われているのかは、世界中のメデイア、専門家やシンクタンクが報告しています。日本ウイグル協会の記事を引用しますので、参考に。

ウイグルでは男性を無差別に収容し強制労働を強いる、独自文化の放棄と中国共産党への崇拝を強制し拷問を加える、女性に不妊手術を強制し、子供を親から強制的に引き離す、ウイグル独自文化の存続の立役者である著名な知識人や経済人が一斉に姿を消す悪夢のような事態が起こっている。

引用:日本ウイグル協会

一方、中国政府はアメリカの認定について否定する姿勢をくずさないです。

この事実は定かではありませんが、少なくてもアメリカのみならず、欧州などでもウイグル問題をジェノサイド認定をする動きが高まり、カナダ議会、オランダ議会、イギリス議会をはじめ、G7(フランス、アメリカ、 イギリス、ドイツ、日本、イタリア、カナダの主要先進国)のうち日本以外は、対中制裁を科しています。

こ渦中の中でジェノサイド条約も注目されることになったのです。

「ジェノサイド条約」の内容と日本が加盟しない理由

では、ジェノサイド条約となにか?

特定の国や民族、人種、宗教集団の構成員に対し、(1)殺害する(2)肉体的、精神的危害を加える(3)過重労働など肉体的破壊をもたらす生活を強いる(4)出生を妨げる(5)子を集団から引き離す―ことを「ジェノサイド」と定義。締約国には被害防止や加害者処罰の義務が課せられる。

引用:Yahoo!ニュース

加盟国は、被害の拡大を防止することと、加害者を処罰する義務が課せられます。

また、ジェノサイドに手を貸す「共謀」や、演説などの「扇動」も処罰の対象になります。

日本は、先述したようにウイグル問題を「ジェノサイド認定」しておらず、同時に「共謀」、「扇動」を罰する法律がないことと、日本社会ではジェノサイドが起こることは想定しずらいという理由で「ジェノサイド条約」に加盟していません。

これに対しては、外務省幹部も「何もしないわけにはいかない」と関係省庁との検討を始める考えを示しているようです。

しかし現実は「刑法など関連法規の改正が必要になる」などの作業が膨大にあるので難しいとも言われています。

日本は中国の制裁を恐れている?

また、「中国の報復に警戒している」という見方もあります。

今や、中国は日本のGDP(国内総生産)をはるかに凌ぐ大国であるため、経済力など駆使した報復をしてくることも考えられるといいます。

元にオーストラリアに、新型コロナの感染拡大の独立した調査を求めて関係が悪化した際は、オーストラリア産大麦に高関税を課す、中国国営の英語放送でキャスターをしていたオーストラリア籍の女性を拘束・逮捕などの措置をしてます。

こうした経済的な力による報復の可能性も考えられるわけです。

実際、中国は日本の最大の貿易国であり、元安倍首相も「春節に際して更に多くの中国の皆様が訪日されることを楽しみにしている」と述べていますし。
(この文章は時期が新型コロナで騒がれていたこともあり、大ブーイングがおきたけど。)

ジェノサイドが起こることは想定しずらいけど、対岸の火事ではないのかもしれない

少し、「ジェノサイド条約」に話をもどします。

たしかに日本社会ではジェノサイドが起こることは想定しずらいというというのは日本国民からしたらわかる部分もあるのかなと思います。

日本人からのジェノサイド想像しずらいです。

ですがもし日本人以外の国からジェノサイドの扇動や共謀で被害が出てきたらどうなるのでしょうか?

関係が悪化による報復する一環としてお隣の国がもし目を向けてきたら?

これらを処罰する義務と法律は今の日本にはありません。

もちろんウイグル問題との比較はあまりにも非現実的であることはわかっていますが、大国に挟ませている日本に住んでいる以上こうした不安も募るのかもしれません。