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「容量市場」の電波オークション、電力負担額が500円上がる?

この記事の要点

・「容量市場」ってなに?
・なぜ開設したのか?
・必要なのはなんで?
・電気代は国民1人あたり500円になるのか。

2020年9月中旬に行われた「電力容量市場」のオークション(シングルプライスオークションで行われた)で落札結果が2024年の運用時に国民全体での負担は1・6兆円になると話題です。

 国が2024年度に始める電力市場の新制度で、最大1・6兆円の国民負担が生じることになった。7月にあった新市場の入札結果が今月公表され、価格が当初想定の1・5倍に膨らんだ。国側は「想像していなかった」と戸惑い、制度ルールの一部見直しを始めた。
引用元:Yahoo!ニュース

今回は、「容量市場」とは何か?なぜ必要なのか?についてをまとめていきます。

「容量市場」とは?


出典元:竹村英明の「あきらめない!」

「容量市場」とは、電気(kwh)そのものではなく、発電所の容量(kw)を売買する市場のことです。

私たちが使う一般的な電力の量はkwh(キロワットアワー)で測ります。しかし発電所の発電する力(設備容量)はkw(キロワット)で測ります。そしてこれが「kw市場」=「容量市場」になります。

なんで「容量市場」を開設したのか?

2016年の電力完全自由化により、発電所がこの先10年で不足することを懸念して「電力広域的運営推進機関(OCCTO)」が開設したのが、「容量市場」です。

なぜ電力自由化で不足するのかというと、今までは電力自由化以前からある「一般電気事業者」(東京電力・関西電力など)が発電所をたててましたが、電力システム改革により「発電」「送配電」「小売」を分離することが行われました。これにより、消費者が電力会社および電源を選べるようになる電力自由化になるわけです。
これにより生まれた「新電力」(経済産業省エネルギー資源庁から認可された小売電気事業者)になると、発電会社と小売会社が別々にになるので、発電所建設のインセンティブがなくなるとも。

それで、将来に発電所が足りなくなるということが言われているんですね。

「容量市場」がなぜ必要なのか?

では、なぜ「容量市場」がこれから必要なのか、下記にすると、

・供給力の減少に伴う電気料金の値上げを抑制
・必要な調整力の確保
・電力供給の安定

このようなことを想定してということが言われています。
参考元:Q&A「容量市場の概要」 – 電力広域的運営推進機関
平たく言えば、普段の生活に使う電気代に予備電力分の費用を回収して、逼迫(ひっぱく)時に想定される価格高騰を解消しようという試みです。

ちなみにここでいう電力の逼迫(ひっぱく)というのは、「供給予備率」(電力需要のピーク時の供給の余裕度)が8%以下になることを指しています。
また、電力電気を供給する企業の費用負担リスクを低下させて事業を安定化させる狙いもあります。

また、この「供給予備率」が一番厳しいのが2021年、22年だという予測が
「OCCTO2018年3月「平成30年度供給計画の取りまとめ」にあります。

実は「供給予備率」は足りている?

でもこの一番厳しいとされる2021年の「供給予備率」は「容量市場」を除いても確保できる予測なんです。そしてこれ以降、もっといえば、2024年運用はが開始される時点でも「供給予備率」予測は足りています。

2020年の落札は2024年に運用するためのもので、2021年にも間に合わず、2024年にも「供給予備率」は足りている。
これ、本当に意味があるのでしょうか?と疑問がでてきそうになります。
<コチラの記事を参考にさせていただきました。>
→竹村英明の「あきらめない!」-これで良いのか?電力システム「容量市場」

国民負担が1人あたり1ヶ月500円ほど値上げに

このオークションは9月14日に落札されましたが、価格は1キロワットで「1万4137円」になりました。これは上限価格が決まっているのですが、その価格は指標価格の1.5倍の1万4137円。

要するに上限いっぱいになったということです。

これは最終的に国民が払うことになるのですが、

・1キロワット時に2円の上昇
・一般的な家庭では1ヶ月500円の値上げ

1キロワット1万4137円を考慮すると、上記のような値上げをする計算になります。

さいごに

「容量市場」の電波オークションの落札額と国民の負担についてみてきました。
電力システムは以前として、一般電気事業者が大多数です。

このようにあまり普及していない「新電力」の負担の緩和で価格高騰を抑制するとのことですが、それだけが目的なのか?と個人的には感じました。

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