就職・仕事

正社員の歴史と終身雇用はいつから?日本の雇用形態を紐解く

近年、日本の労働力は、非正規雇用が増加しており、数十前のような正社員の「終身雇用」「年功序列」「副業禁止」などが減少している印象を受けます。

では、日本をこれまで支えてきた「正社員」はいつころから出てきた言葉なのでしょうか?
また、増加傾向にある「非正規社員」とはいつから誕生しているのでしょうか?

日本における「正社員」の歴史を紐解いてみようと思います。

日本で正社員の雇用形態は「高度経済成長期」に浸透した

歴史を紐解くと、日本で正社員の雇用形態が登場したのは戦後の復旧が進んだ昭和20年後期(1950~)以降だと言われてます。

もっとも浸透したのは高度経済成長期に入る昭和40年代(1965~)になってからです。

当時は雇用形態というよりも、「正社員」と「非正規雇用」を区別するための呼称というニュアンスが強かったそうです。(戦後〜高度経済成長に伴い、雇用率が急激にあがったので。)

また、正社員のピークは1980年代前半(バブル全盛期ですね。)であり、それ以降は非正規雇用(派遣・アルバイト)が増加している統計があります。

概念としては「明治時代」から誕生していた?

日本においての「正社員」は浸透したのが高度経済成長期ということなので、今から半世紀前くらいになります。

これを長いか短いかはそれぞれの価値観なのですが、個人的には歴史が短いんだなと感じました。

もう少し掘り下げると、「正社員」=「長期にわたる安定的な雇用 」とみた時に、その概念は明治時代からあったとされています。

明治時代といえば、今から100年以上前になります。(1868年〜1912年)

この時代は、天下分け目の内戦「戊辰戦争」、政治を天皇に返上しての「王政復古、新政府の地固め」「廃藩置県」など様々な価値観が変わった時代でした。

また、欧米列強と渡り合う(対抗しうる)ために中央集権的な国家を作るための国策をしていきました。

この時の政権は色々な「政変」を経験しつつも、やがて「富国強兵」を国一丸となり勧めていくことになります。

「国会の開設・内閣制度の発足」「教育令」、「立憲君主制(君臨するが統治はしない制度)」「教育勅語」を発令するなどの国策と、「日清・日露戦争」で世界の列強と肩を並べ、当時の列強国支配に直面していたアジア諸国に勇気を与えました。

「、、、( ・∇・)」

と明治時代はこのようにかなり面白い時代なので、機会があればまた別の記事にしたいと思います。笑

話を戻すと、この激動の時代にも「正社員」という概念は存在とされてまして、おもに「官吏や一部の大店や工場 」やいわゆるマネージメント、育成職などが「長期にわたる安定的な雇用 」であったとされています。

当時の東京の多くの労働は「短期就業の多い雑業 」であったとされており、日雇い、自営業者などの不安定な就業が一般的だったようです。

「正社員」制度の崩壊というけれども、その歴史はそこまで古くない

よく、「終身雇用」や「年功序列」の崩壊と言われていますが、歴史を紐解いていけばそこまで古い時代からあったわけではないんですね。

日本の働き方には、古くからある「弟子入り」というものがあるので、その流れを雇用形態にも反映されているのかもしれないなと個人的には思いました。

「会社は給料を出すだけではなく、人間性も育てていく」という感じは、江戸時代にあった「奉公人」と「奉公先の頭首」の関係になんだか似てますよし。

海外の雇用形態を比較しても面白い

またアメリカだと「Employment at will」(「随時雇用・随時解雇)が雇用の基本概念なので、会社と労働者の「契約」という面が強いです。

なので、転職や中途採用は結構、当たり前だったりもするようです。

オーストラリアの雇用は、中途採用が当たり前のと言われてる「ジョブ型雇用」でして、こちらもメリット・デメリットがありますが経験や実力が重視される雇用形態になっているといいます。

(オーストラリアというより、大体の海外の雇用形態はこれ。)

同じような環境のシンガポールなんかでは、「いろいろな会社で様々な経験したことが評価される」ということもあるようですからね。

参考記事:nomad journal 

まとめ

正社員の歴史と日本での普及の起源を見てきました。

戦後にそれまで多かった「非正規雇用」と区別するために生まれた背景があり、雇用の概念は明治時代から一部ではあったということでした。

感想は、一般的に広まったのは高度経済成長期頃で思ったよりも日本での歴史は浅いんだなと感じました。

しかし正社員と会社の特徴である「年功序列」「終身雇用」などの安定の概念はm江戸時代の「奉公」と「奉公先の頭首」の関係と似ていおり、日本人が安定を求める割合が多いのは(僕の周りの勝手な統計です。)、この習慣が無意識レベルで根付いているからなのかとも思いました。

歴史を知ると観点が広がりますね。